2022.04.30 ロールケーキドーナツ

二日連続でよくわからない変な夢をみた。望んでいないはずのことを夢にみるとそれに引っ張られて憂鬱な気持ちになる。子うさぎが二羽出てきて、それが少し気になって調べてみたらどうやら良い夢らしいかった。

今朝はチョコレートのロールケーキ。その日に焼くものが起きた瞬間から決まっている日というのがある。ただロールケーキのレシピが載っているレシピ本を持っておらず、ときどき作るふわふわのチョコのカップケーキの生地を薄く焼いたらよかろうと思いそうしてみたけれど、ふかふかに膨らんでしまいこれは巻けないなと思い少し考えて、厚みが出てしまったところを包丁で横から切り落とし(切り落とした部分はつまみ食いして良い)これで完璧と思い豆乳ヨーグルトを水切りしてココナッツオイルを混ぜて作ったクリームを塗って意気揚々巻いてみれば生地はあっさりと真っ二つに折れたのだった。かくしてロールケーキになる予定だったものはシートケーキになった。とても美味しかった。ゆっくりコーヒーを飲んだ。

かれこれ一ヶ月になるだろうか、最近ずっとチョコオールドファッションのことが頭の中にある。チョコオールドファッションはわたしがいちばん好きなドーナツ。コンビニに行けば売っているけど、コンビニのものではあまり満足が出来なくて、だからいつまでも欲求が満たされず頭の中にあるのだろうと思われる。ではどこで買ったチョコオールドファッションなら良いのか、と考えてみれば数秒の沈黙の後にいま浮かんできたのはパン屋さんだった。チェーンとかじゃない、街の小さなパン屋さんのイメージ、これはどこのパン屋だろう。子どものころの記憶だろうか、もしくは出掛けて行った先でたまたま通りかかったどこかの街のパン屋だろうか。

そんな様子だから今朝はシャワーを浴びながらドーナツのことを考えていて、ドーナツといえば島にいたとき、業務用の大きなフライヤーで大量のあんドーナツを揚げたなということを思い出した。わたしが働いていた宿には小さな畑があり、そこでいろいろなものを育てては収穫していたのだけど、島あずきと呼ばれる通常のあずきよりもずいぶん小粒のあずきがたくさん採れて、わたしは暇を見つけてはそれであんこを炊いていた。わたしは東京から持って行ったあんこのお菓子のレシピ本をみていろいろなお菓子を作ったけれど、あるとき一度作ってみたいと思っていたあんドーナツをついに作ったのだった。とてもたくさん作ったけれど、宿の家族やスタッフみんなで食べたら次の日には確かなくなって、本当にあっという間だった。

あぁそうだ、島ではロールケーキも確か二度作っていて、だからそのことを思い出してそうしてドーナツのことを考えたのだったかもしれない。宿のキッチンにあったレシピ本に載っていたコーヒー味の生地に少しヨーグルトを混ぜて軽く爽やかにしたクリームを巻くロールケーキ。表紙にもなっていた写真そのまんまに出来た。一度目は大嵐の中で食べた記憶がある。二度目は、わたしが東京に帰る前に宿で割と大きなお別れ会みたいなことをやってもらって、それぞれ食べものは持ち寄りだったからわたしは甘いものでも作ろうと思って、生地はココアにして、クリームと一緒に島バナナを巻いたのを作ったのだった。それをみた中学生の宿の娘が「自分のお別れ会なのに自分でケーキ焼いてんの!?」と言った、あの広いキッチンで。

そういうことを思い出していた、今朝。ロールケーキはまたリベンジしたいと思うけれどあのロールケーキのレシピには卵が入っていたのだよな。お菓子のレシピ本は何冊か持っているのにそのどれもにロールケーキが載っていない。どれもヴィーガンのレシピ本だからだろうか。薄くてふわっと弾力のある生地を作るには卵が必要なのか。そんなことあるのかしら。探してみよう。