2022.12.01

謙虚でいたいと思うけれどうまくいかないときもある。「も」というか、「が」ある。でも書いていて思ったけれど、謙虚でいたいと、大して思ってもいないような気もするな。あまり興味がないのかもしれない。どうしても他を低く見積もってしまうきらいがあり、そういう自分のある種穿った姿勢にうんざりもするけれど、でもそれはもうそういう性質なのだから仕方がないな。わたしに出来ることをやるくらいしかわたしに出来ることなんてない。

この数日は家から一歩も出ておらず、すっかり怠惰。制作に本腰が入りはじめ、こうなると他のことはなにも出来なくなる。日々の仕事と夜な夜なのデモ作り、それを繰り返していれば他のことが入り込む隙間などあるはずもなく。と言いつつ、今日はなんか散漫で、ちょっと飽きたのかななんて思う、そして冷蔵庫が空っぽなので重い腰を上げてスーパーへ出掛ければ夜風が涼しくて気持ちが良かった。目についたものをぽいぽいカゴに放り込んでレジに並ぶと、背の高いメガネをかけた研修中と思われる男性が、中肉中背といった風貌の男性に後ろからひとつずつ支持を受けながらお会計をしてくれ、それはそれは丁寧に「ありがとうございました。またお越し下さいませ!」と頭を下げられた。いろんな世界の、いろんなひとの、いろんな生活。交わることのないそれら、を、ときどき垣間見る。

月曜日、幾何学模様のプリファイナルを観に恵比寿まで。ガーデンホールという場所がいつ出来たのか知らないけれど初めて入った。ライブハウスと違って壁も床も黒くなく、舞台照明だけの状態でも壁の白さが目立っていてはじめそれがとても気になったけれど、途中から体育館みたいで学園祭の後夜祭みたいでいいなという気持ちになった。チケットはソールドアウトだったけれどぎゅうぎゅうでなく、後ろの方で余裕を持って見られたのもとても良かった。オーディエンスも「そういうひと」しか来ておらず、心地良かった。やっぱり良いライブは観客が良いのだわ、と久しぶりに思った。あと照明が最小限で演出らしい演出がなにもなかったのもよかった。つまりすべてが完璧だった。何より幾何学模様の演奏がそれはそれは、形容し難いほどに素晴らしく、わたしの中の何もかもが吹っ飛んでわたしはただただ音楽を、瞬間を満喫し味わい楽しんだ。こんなライブはいつぶりだろうと考えた。バンドは奇跡と常々思っているがこの時代のこの国にこんなバンドが存在しているなんてどんな奇跡なのだろうかと果てしない気持ちになった。大袈裟でなく歴史に残るライブだと思った、素晴らしかった、本当に。

わたしは早くレコーディングがしたい。そして早くリリースをしたい。だからこれを書いたらぶつぶつ言ってないで再び手を動かす。