2022.09.23 ぜんぶのほんとう

きのうは12時半過ぎにベッドに入って、しばらく本を読んで、たぶん1時過ぎに眠ったのだけど、夜中目が覚めて時計をみたらまだ2時半だった。最近また夜中に目が覚める。しばらくぐずぐ寝返りを打ったりして、今朝はそれでも8時前には目が覚めて、しばらくベッドの中でスマホをスクロールして、8時半頃に起き出して、ぼんやりと、今日はなにをしようかなと考えながら白湯を飲み、それからいつも通りヨガと冥想をして、スムージーを作って、きのうから読み始めた西加奈子の短編集のつづきを読んだ。読みながらふといつどこで買ったのだっけ、と思って、いちばん後ろのページを見てみたらときどき行く古本屋の値札がついていた。ページがときどき汚れている。お菓子を食べながら読んだのかな、というような汚れ方。

何日か前に友達の店で買ってきたヴィーガンバターを食べるためにトーストを焼こうかなと思っていたのだけど、今日はパンケーキだなという気持ちになって、立ち上がって粉を混ぜる。今日はオートミールを多めに。相変わらず新しいフライパンを買っていなくて、この間インスタグラムで鉄フライパンのおすすめを聞いたら答えてくれた心優しい友人がふたりいて、そのどちらもがTurkがいいよ、と言っており、以前誰かも良いと言っていて気になっていたのでそうねではTurkにしましょう、と思って、でもなんとなく、大きさで迷ったり、高価というほどでもないけれど安いわけでもなく、なんとなく散財が続いていたので足踏みしながら買うタイミングを見計らっていて、そんなこんなしていたら数日前父から誕生日になにか欲しいものはあるかと連絡があって、父は気まぐれにプレゼントを送ってくれたりくれなかったり様々なのだけど、わざわざ欲しいものを訊いてくれたのは初めてのことで、あら、と思って、せっかくなのでこれを近々買おうと思っていたのだよね、とTurkのフライパンのリンクを送ってみたのだった。だから近々たぶんうちにそれが来るのだろうと思われるのだけれど、そんなわけで未だ我が家にはストウブ鍋とホーロー鍋しかなく、最近はストウブが焦げ付きやすくなっていたので久しぶりに油返しをしてみれば今日のパンケーキはなんともするんと綺麗に焼けたのだった。最近はピーナッツバターと蜂蜜にバナナを添えて食べることが多かったけれど、今日はせっかくなのでストレートに、バターと蜂蜜。久しぶりに食べる、パンケーキというよりホットケーキという感じの懐かしい味がして、そういえば母はわたしたちが幼いころ、鉄のフライパンでよくホットケーキを焼いてくれたなということを思い出した。母はバターが好きで、分厚く切ったそれをのせて食べていた。薄い焼き色のついたパンケーキの上でバターはあっという間に溶けて、蜂蜜と混ざって、うすいスポンジにしみしみになって、わたしは西加奈子のつづきを読みながら、最初はいちいち本を横に置いて、フォークとナイフに持ち替えてひとくち口に運んではまた本を読んで、ということを何度かくり返して、そのうちに右手にフォークを持ってフォークの端でぐいぐいと切って本からなるべく視線を離さないようにしながら口に運んで食べた。コーヒーもごくごく飲んだ。西加奈子はいつもあっという間に読み終わってしまう。あとがきがとても良くて、あとがきが良いと嬉しいなと思った。

今週の頭にネットで買っていたパソコン用のモニターが今日になって届いて、予想はしていたけれどとても大きくて(24インチにしようか散々迷った挙句、結局えいっと27インチを買った)そして重たくて、心の中でひいひい言いながら設置。デスクには良い感じに、ぴったりを収まった。はっきり言ってとてもいい感じだ。安い買い物ではなかったけれど、まぁ、ずっと使うのだし。せっせとこれからこれで仕事をしよう。それにしても快適。いまもモニター越しに、早速これを書いている。

モニターと一緒に川上未映子の『発光地帯』が届いたので、モニターの設置が終わって、ついでに部屋の隅々の掃除をして、それからいつかゴキブリが出たときに渋々買ってもののそのまま放置していたゴキブリ対策の、なんか、部屋に置く、小さい丸い黒いのを部屋の隅っこの見えないところなどにようやく置いて周り、ふうと一息つきながら読んだ。発光地帯はエッセイ3部作の一冊目で、わたしは川上未映子という作家の作品がとても好きなのに、つい最近までこのシリーズの存在を知らなくて、最近彼女がツイッターで書いていたのを見かけて初めて知って、慌てて注文したのだった。大好きでなんども読んでいるそらすこんのようなタッチ、あぁこれですこれです、と思いながら。

今日みたいな日は、なんていうか、どうかな、と思うけれど、最近は自分に多くを求めないようにしているので、のんびり、したいだけして、こうして日記を書いたりして、ぜんぜん進まない原稿に向かい合ってひとりで沈黙したり、そうして、でもあとで少しギターを今日は弾きたいなと思ったりして、そんな、なんか金曜日。世の中は三連休なのだね。涼しいけれど湿度があるからカーディガンを脱いだり着たり、ブランケットをかけたりのけたり、何度もなんどもしている。

言葉をいっぱい体に入れたから、少し出したくなって、届いたばかりのモニターを見つめながらつらつらと、とりとめもなく、書こうと思っていたことはいくらでもあるけれど、書きはじめた途端に大体のことはどこかに行ってしまう。でもどちらにしたってぜんぶぜんぶを書き留めておくことなんてわたしたちにはできない、嘘はつかなくてもぜんぶのほんとうを丸ごと誰かに伝えることが出来ないのと同じように。ということを、さっきキッチンに立っているときに思ったのだった。

明日はとても久しぶりにまりちゃんに会いに行く。焼き菓子が食べたいというので、キャロブとバナナのケーキを、明日は焼くつもりでいる。Henning Schmiedtの新しいアルバムが出て嬉しい。