2023.02.25 渋谷で一日

用事と用事の合間に一時間ほど空いて、お腹も空いていたしどこか手軽なところ、と思いドトールかなーと思ったけれど何となく向かいのタリーズに入ってみればプラントベースの食事のメニューがいくつかあり心の中でおお、と思う。高野豆腐のピタパンサンドイッチ(何とか風、忘れた)とホットのソイラテ。若い女性の店員さんがサンドイッチを手に「こちら温めますか」と何度も訊くので思わず笑ってしまって感じ悪かったかなと思ったけれど彼女もつられて笑っていた。可愛らしい、とても目の大きいひとだった。

土曜日の渋谷なんて最悪だ、と何度も思いながら表参道からの道を歩いた。みんな渋谷でなにをしているんだろう、と思う、だけどわたしもかつていつもいつも渋谷で友達や恋人と待ち合わせをしていた。とりあえず渋谷、みたいなところがあったように思うけれど、渋谷でいつもなにをしていたんだっけ、と考えてみてもあんまり思い出せない。映画はときどき観たな。あとは買い物とかだろうか。飲みに行ったりとか?興味ないなぁいまとなっては本当に。タワレコにももう何年も行っていない。タリーズのレジには列。ずっと列。ときどき扉が開くと、外を走るプロモーションカー(というのかしら、大きなトラック、ホストの宣伝)の割れたような音が聴こえる。

なにか甘いものでも食べようかなと思ってガラス張りの棚の中を覗いてみたけれど食べたいと思うものはなかった。

そうして、今日は渋谷で反戦行進0225。1000人が集まったのらしい。すごい。わたしはデモが苦手で、コールはもっと苦手で、コーラー(先導してコールするひと)やってくれないかという申し出を断っていたのだけど、でも今日は意外と自然にけっこう声を出した。喉を使った感じがする。Protest Raveもとても良い感じだった。最高なそして多様なプラカードがいくつも揺れていた。

久しぶりに近しいひとたち、わたしが友達というよりもはや仲間、と思っているひとたちと、久しぶりに好きな安居酒屋でゆっくり話をした。久しぶりにコロナ禍初期の話なんかも少しして、ああなんだかわたしたちはいろんな時期を過ぎていままた少し違うところまで来たのだな、みたいな薄ぼんやり思っていたことを言葉にして話し合うことでよりはっきりと実感する。でも今日はなんだかうまく話せなかったな、またゆっくり話したいな。と思う。みんなそれぞれの日々があり、それぞれにそのほとんどに無関係で、だけどみんなそれぞれに元気でいてほしい思う、関われるほんの少しの領域と関われないその他ほとんどの領域、できるほんの少しのこととできないその他ほとんどのこと、そういうことを思う、だけどそのいずれも可変なのであり、常に流動している、たぶん、そして意識をして拡げることもできる、はず、たぶん。あなたのことを大事に思っているよ、できることがあるなら喜んでしたいと思っているよ、そういう想いを、どうしてどんな風に伝えられるだろうか、そういうことを考えながら帰りの電車。明日は歌を録るから今日はビールを我慢したのだった。