2023.03.14

眠って起きればまったくもって当たり前にいつも通りの朝、いつも通りの一日、日常、といった塩梅でなんだか拍子抜けというかなんというか、きのうのことがとてもとても遠くに感じる。夢のような旅を終えて家に帰ってきたときの戸惑いに似ている。ぼんやりとした心持ちで何日かぶりに一日家で仕事をした。冷蔵庫がほとんど空っぽなので買いものに行かなくてはいけないけどあまり外に出る気持ちにならない。スタジオで録る分は終わったけれど、家で録る分はまだ残っている。そしてスタジオで録った分も家での編集作業がある。そろそろアートワークのこととか、その他もろもろも考えて決めて進めなくてはいけない。やることはまだまだまだ、いくらでもある。

しかしまだ20時前だというのにうっすらとした眠気。きのうは、眠れたような眠れなかったような、そんなだった。明け方近くになって、夢を、とてもはっきりとした夢を見た。この何日か気に掛かっていたこと、なんでなんでなんで、と思っていたことがすっかり解決されていて、わたしはスクロールしたiPhoneの画面を眺めながらあぁなんだよかった、と安堵した、そしてその瞬間に夢だと気がついた。いまもそのときに見た液晶の画面をそのまま思い出せるほど、ひどく鮮明な夢だった。願望はすぐに夢になるのでなんて単純なつくりの脳みそだろうかと思う。

この一週間ほど考えていることといえば、自分の中の感情がこれは果たして好意なのか執着なのかということだった。様々のバイアスがかかってしまってちゃんと見ることが出来ず、見分けがつかない。おそらく前者がほんの少し混じった後者だろうというような気がしているけれど。執着なんて本当最悪だ。

買いものに行くか、歌を録るか、あるいは編集作業を進めるか、もしくは4日間根を詰めてレコーディングだったので今日くらいはひとまずぼーっとするのもいいのではないか。ちょっと眠ろうかな。でもきのうの歌の感覚を、忘れないうちに残りの歌を録りたいという気持ちもある。家で、再現ができるだろうか。ずっと音楽の、歌の中にだけいられたらいいのに。