2024.11.19

真っ直ぐな線が引かれたかのようにはっきりくっきり空気が変わって今日から冬。わたしのいちばん好きな季節はあっと言う間に過ぎ去った。谷川俊太郎さんが亡くなった。一度朗読会に出掛けて行ったことがある。質問の時間があったので手を挙げて、どういう風に詩を書くのですかと聴くと、パソコンに向かってさあ書くぞと、そうして書くとそういうことを仰っていた。その日にもらって帰ってきた一編の詩が書かれたカードのようなものを鏡の横にずっと貼っている。今日は寝る前に彼の詩集を読もう。

ほとんど家にいなかった10月を経て11月の頭もバタバタと東京に行ったりしているうちにDawn (Side-B)がとうとうリリースされ、それらも過ぎ去りようやく落ち着いて、今月から仕事の仕方を変えることにしたのでまた少しずつリズムを作るというか作り直すべく、ずるずると遅くなっていた起床時間を正し、瞑想の時間も決めて散歩にも行き、そうして音楽に向かうまとまった時間を日々にしっかり確保しようとそういう試み。いまのところ上手くいっている、まだ曲らしきものはまったくと言っていいほどなにも出来ていないけれど次の作品のことを毎日考えゆっくりイメージを作っている、焦らず腰を据えて、という気持ち。毎日いろんな気持ちになり浮き沈みは相変わらずあるわけだけれども、向かうべき場所というかものというか何かしらの対象があることである程度の安定を確保することができる、ように思う。しかし安定しているとあんまり日記は書けなくなるみたいだけれど、そうでもないのだろうかどうだろうか。機微がないとあまり書くことがないように思われる、と思ったけれど、でも世界は相変わらずで自分がどうあろうとも関係なくそれは続いていきその接点を断つことなど出来ないわけだからね。村上春樹の『職業としての小説家』を久しぶりに読み返して元気をもらい背筋を伸ばしている。そしてハンガンは何度読み返しても当たり前に素晴らしく。