2025.01.28

去年につづき、年明けからオンラインで作曲のワークショップを受けており、講師はなんとBrian Enoなのだった。人生でこんな機会が訪れるなんて、本当に有り難いことだ。

週末に最後の一コマがあり、時差の関係でわたしはオンタイムで参加するのが難しかったのできのうの夜に録画を観たのだけれど、参加者へのアドバイスのひとつに”Don’t get a job.”というのがあって思わず声を出して笑ってしまった。アーティストになるのなら、なるべくつまらなく賃金も低いひどい仕事をするとアーティストとして生計を立てたいという気持ちが強く大きくなる、安定した良い仕事についたらアーティストになることは二の次になってしまう、ということらしい。なるほどね。坂本龍一さんの作品を聴いたり文章を読んだりしていてもよく思うことだけれど、彼らのようなひとたちがやっている創作/表現というのはどちらかというと現代アートの領域であり、わたしを含め多くのひとが思い浮かべるであろういわゆる音楽(大義でのポップミュージック)というのとはやや性質を異にするものだろうと思っていたけれど、Brian Enoの言葉や彼のこれまでの作品の数々に触れてみればあれ意外とそうでもないのかも、と思うに至った。少なくとも境界線は限りなく曖昧、というか、ない、のだな、考えてみれば、そんなわけでわたしは音楽に対してまた新たな視点を得たような気持ち。もっと自由な気持ちでいろんなことをやってみればいいじゃないか、と素直に思えた、思えている。課題として曲を3曲書いた、どれも短いけれど、うち一曲はなかなか良い、そして今後やってみたい大きなアイデアを見つけた。まだまだ学べるしまだまだ知れるし発見できる。それはとてもなんというか清々しい朝の光のようなことだなと思う。それにしてもチャーミングで素敵なひとだったな。あんなひとが自分のおじいちゃんだったら最高だな。訊いてみたいことがある。いつか会いたいな。

一緒に暮らしている小さなひとは今月で3歳になった。あっという間にずいぶんしっかりしてきて、もう何でもひとりで出来るので本当に感心してしまう。語彙もどんどん増えいるし、歌もたくさん歌えるようになった。踊りがとても上手。

ずっとコピーしたいと思っていた曲のコードを、今日ふと気持ちが向いたのでやっと拾った。案外すぐに耳コピ出来て、あんなに苦手だったのに、あぁちゃんとわたしだって出来ることは増えているし少しずつでも身になっているのだそりゃそうだそうでしょう、と思う。音の重なりのその連なり、ただそれだけでこんなにも美しいのだと、ほんの一音が変わるだけでこんなにも豊かな広がりが生まれるのだと、それだって以前だったら今のようには実感できなかったはずだ。シンプルなのに本当に美しくて何度も何度もくり返しピアノを弾いた。

まったくつまらないことでひどく苛々してしまって、そういう自分に辟易する近頃だったのだけれど、なんというか、気を取り直し、仕切り直してみればきのうと今日は割とうまくいった。いろいろなことは、とてもゆっくりでも、そしてとても見えにくい形でも、確実に変わってきている、たぶん。そう思う。