2022.01.26

きのうは休むと決めて、とは言っても少しは仕事もしたけれど、でも少しだけして、あとはおやつを食べたりゆっくり本を読んだりしてのんびり過ごした。去年読んだ『しろいろの街の、その骨の体温の』がとてもよかった村田沙耶香さんの『変半身』(かわりみ、と読む)という本を何日か前ふらっと入った古本屋さんで見かけて買っていて、それを一気に読んだ。二篇収録されているのだけどどちらもなんていうかとても奇天烈な設定で、なのにものすごく確信を突いていて、まったくすごいものを書くなぁと思った。

少し前、友達のInstagramで『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の「極上音響上映」なるものがやっていることを知り、行きたくて、行くとしたら今日だったから、今日は頑張ってやることを終わらせて、夕方前に家を出て観てきた。わたしは実はダンサー・イン・ザ・ダークはずっと観ずに来ていて、この間のニーナ・シモンのドキュメンタリーもそうだけれど、気になって観たいと思っても、すごいとわかっている映画はいろんな意味でちょっと怖くていつもすぐには観られないのだった。でもそのうちタイミングというのは訪れるもので、とは言えまさか劇場でしかも極上音響で観られるなんて思ってもいなかったからこれはなんとしても行かなくては、と思った。途中何度も胸を押さえながら観た。エンドロールを眺めながら、つらいなぁと思った。それにしたってBjorkの歌ったら。

おととい無性に花が買いたくなって、帰りに花屋さんに寄った。年末遊びに行った友人宅の玄関に大きな絵画と、それから立派な枝ものの花が飾られていて、それがとても素敵で、玄関は大事だよ、と言われたことがずっと心に残っていて、わたしの家の玄関は家のいちばん隅っこにあり行動の同線上にないため一日に通るのは家を出るときと帰ってきたときだけで、しかもわたしは出不精だから家を一歩も出ない日も多く、加えてまったく陽が当たらないから、玄関に花があったら素敵だなぁといつも思うけれど、誰にも見られず暗がりの中にぽつんと生きものを置いておくことに勿体無さと申し訳なさを感じてしまうのでなかなか飾ることが出来ずにいた。でも枝ものだったら長持ちするし、玄関にも合うような気がしてそれだったら良いかも、という気持ちになってめずらしくというか初めて大きな枝ものを、奮発して二種類を二本ずつ計四本買って帰ってきたのだった。あまり大きな花瓶を持っていなかったので、どうかなと思いつつ家にある中で一番大きなものに生けてどうにか飾ることは出来たけれどやっぱりいまいちで、翌日時間をかけて良さそうなものを選んで注文した。リサイクルガラスの、シンプルだけれど先がすこし窄まっていて生けやすく綺麗なフォルムのとても大きなやつ、今朝早くに早速届いたので生け直したらやっぱりぐっと素敵になった。そうしていいね、と声に出して言った嬉々として玄関に飾って、それはやっぱり素敵だったのだけど、この素敵さを一日に数えるほどしか、それも一瞬しか愛でないなんてやっぱりどう考えても勿体無くそして申し訳なく、結局部屋の中に入れた。今もこれを書きながらときどき顔を上げては眺めて綺麗だなぁと思っている。とても、とてもいい。

部屋のあちこちにいろんな花を好き勝手に飾りたいなぁという気持ち。小さい花瓶も探そう。

久しぶりに近しいひとにコロナ陽性が出た。もう特別驚くこともない。みんな順番だよな。重症にならず何事もなく時間が過ぎることを。相変わらずの日々で、本当憂鬱。でもそれさえもなんかやっぱりちょっと麻痺してくるので。