2022.11.03

なんだかとてもよく外に出掛け、ひとと会っているこの一週間。きのうは吉木さんとリハ。ドラムのひととは数えるほどしか一緒に演奏をしたことがなく、しかも吉木さんのドラムはたぶんとても音が大きな部類のドラムだから、はじめギターの音量のあんばいがまったくわからず随分小さくセッティングをしていて、吉木さんが戸惑っているのはなんとなくわかっていたけれど適正音量がわかったのはリハ終盤で、大きく音を出したときに瞬間でしっくりきて、それまでの吉木さんの遠慮や戸惑いやそして自分の気づいていなさに気づいて笑ってしまった。大きな音を出すのはとても楽しい。

スタジオが友達の家の近くだったので終わった後に一緒に食事をし(初めて行くカレー屋さんに連れて行ってもらった、食べたことのないスパイスの味がしてとても美味しかった)彼女が行ってみたいと言い連れ立ってバーへ行き小洒落たカクテルを飲むなどした。久しぶりに会う彼女はとてもにこにこと調子が良さそうで近ごろの充実ぶりが目に見えるようだった。のんちゃんにもらったサボテン育ってるよ、と言ってわたしが去年彼女の誕生日にプレゼントしたサボテンの写真を見せてくれた。他のたくさんの植物に囲まれていてその様子がとても幸せそうに見えた。しばらく一緒に仕事をしているひとがワイン通で美味しいワインを飲む機会がたくさんあったそうで、のんちゃんにも飲ませたいなと思ってたと言ってくれてそういうのって嬉しいなと思った。

今日は母の誕生日だったので、みんなで千葉に住む祖母の家に集まりお祝い。和歌山に住む姉が9ヶ月になった子どもを連れて上京中なのでとても賑やかで和やか。小さいひとがひとりいるだけでこんなにも世界は平和、その威力に密かに圧倒される。山ほどのお寿司とケーキ、それから叔父さん(母の兄)が買ってきてくれた和菓子をみんなでもりもり食べた。姉たちは数日後に和歌山に帰る予定なのらしく、祖母はまた次いつひ孫に会えるか、またはもう会えない可能性を想い別れ際にはめそめそしていた。みんなもわたしも軽い気持ちで笑っていたけれど、確かにこんなに愛おしい存在に会うのがもしかしたらこれが最後になるかもしれないと想像してみると祖母の気持ちも分かるような気がした。祖母はもう90を過ぎていて、まだまだ元気だけれど、それでもいつ何があるかなんていうことはまったくわからずまあそれはわたしだって誰だってそうには違いないのだけれど、でも刻一刻と減っていく残された時間を意識しながら日々を生きるその感覚というのはやはりわたしにとってはまだリアリティを持たない。

最近買ったフィルムの一眼をこの間の週末実家に帰ったときにおろして、小さいひとの写真をたくさん撮った。一眼は初めてだからもしかしたらまったく撮れてないかもしれないと思っているけれど、まあ、それはそれで。今日フィルムを撮り切ったから現像に出す。楽しみだな。

実家への道と駅までの道は逆方向なのでわたしは駅まで叔父さんの車に乗せてもらった。みんながこうやって来てくれてありがたいよ、僕はふたりだとどうしても喧嘩しちゃってね、と彼はわたしに言い、ほんの短い距離だったけれど、家族について少し話をした。みんな健やかであってほしい。