2023.04.03 起点

細くて長くて何度も何度も膨らみ縮んで揺らいでは迷っていた想いのひとつが終わって、ああしかしそれはやっぱり恋だったといまにして思い、しかし気がついたときにはそれはもう既に過去の出来事、過去の想い、で、ああ、うう、だけどいい恋だった、健やかであった、とむしろ晴々とした気持ちだわたしはいま。とても好きだったな、とても好きだったのだな本当は、と思う。なんかこてこての曲が書けてしまうのではないか、そんなのもいいなとか、思う。よく晴れている。

坂本龍一さんが亡くなった。ついに逝かれてしまった。でもわたしはまだ受け止められなくて、でも、でも、残されたわたしたちはどうしたらいいのだろうか。とても心許ない。しかし、出来ることをやるしかないのだ、今までだってこれまでからだって同じ。

自分の気持ち、さまざまの、幾重にもなっている感情思考欲望願望意思想い、その中の本当のほんとうをきちんとみる、見極める、そうしてその声を聴く、そういうことがこれからようやくできていくのではないか、そしてそれはわたしにとってなにか新しい景色に繋がるような、なにかそういう起点になるようなことなのではないか、そういう予感めいた、前向きな気持ちで、今日は、開け放したひだまりの窓辺に足を投げ出して。世界はこんなにも混沌としているのに眼前のこの穏やかさ美しさはどうだろう。音楽を作ろう。