2024.03.27 帰宅

きのう、午前中に向こうを出て、滑走路に動物が侵入したとかなんとかで少し飛行機が遅れ、でも14時半頃には到着したのだったか、荷物が出てくるのをゆっくり待ち(わたしの荷物はたいていいつも最後の方に出てくる、ギターと一緒に預けていることが関係しているのかいないのか)空港でとりあえずコーヒーを買ってタクシーに乗り込み大量の荷物とともに近くの駐車場まで運んでもらって、それから大阪のごみごみした街中をのろのろと抜けてそれからはただただ運転をし、家に着いたのは9時半頃だった。瞼はほとんど閉じていて頭はぼんやりとし手はなんとなく痺れているほどで、こんなに疲れることってあるのかと思った。顔を洗い歯を磨き着替えだけ済ませて久しぶりの自分のベッドに倒れ込み今日は泥のように眠ろうと思うも脳が興奮していたのかちっとも寝付けず結局明け方近くまでベッドの中で寝返りを打っていた。

沖縄、今回は5泊6日。移動日を除けば中はたったの4日だったけれどそうとは信じられないほど濃厚な日々だった。真夏のような炎天下で歌い、こんなのっていつぶりだろうかと考えたけれどもう10年以上前に下北沢のサーキットイベントに出たときぶりではないだろうか、と思った、あのときNakamuraEmiさんが一緒で、ビブラフォンのひとみさんが素敵なお店があるといってわたしたち二人をオープンしたばかりのサーカスに連れて行ってくれたのだった。そんなことを思い出した。土曜日曜と出演させてもらった福果というイベントは普天間の広場とその隣の普天間宮の境内とにたくさんの出店が並ぶイベントで、去年おざわさよこさんと沖縄に行ったときにお世話になって知り合ったチームが企画運営をしていて、法被を着たみんなが走りまわる姿を見ながらCIRCUS FESのことを思い出したりもした。二日目の演奏の最後の曲の間奏を弾き終えて最後のコーラスを歌おうと顔を上げて息を吸った瞬間真正面からふわーっと風が吹いて顔にかかっていた髪の毛をさらっていった、あぁ祝福されている、と思った。美しい瞬間だった。

それにしてもいろんなことを考えさせられた今回の旅であった、それは主に音楽の価値、みたいなことについて。音楽は、音楽だけがいつまでも、というかますます無料(タダ)である、その事実に頭をがーんと殴られその衝撃でずっと焦点が定まらないままふわふわしていた、文句なく素晴らしいイベントでわたしもそれに応えるライブが出来たと思うからこそよけいに。しかし突き詰めて考えてみれば音楽を、自分自身の音楽を安売りしてきたのはほかでもない自分自身ではないか、と思うにいたりはっとして猛省、今後の身の振りについても改めて考えることになったのだった。まったくまったく、わたしときたら、やれやれ、自分を大切にできないことが自分の音楽を大切にできないことにも繋がっているんだろうか、たぶんそうなんだろう、失礼な話だ、音楽にも自分自身にも。

わからないことをわからないままに保留棚にそのまま置いておく、なんの色もメモもつけず、それでいいのだと考えてみればしかしずいぶんと気持ちが楽。

今日はのそのそと荷解きをしてコーヒーを淹れて沖縄で買ってきた美味しいパンを食べ山ブックスで買った本を読んでいればうとうと、夕方小さいひとが帰宅してぎゅっとハグ、粘土で一緒にいろんなものをつくる、久しぶりにお家で野菜たっぷりの食事をして、そんなふうにしてただただ一日が過ぎた。明日からまたゆっくりはじまる、はじめる