2025.03.12
風邪ばかりひいている。どうしたというんだろう。こういう日はどうしようもないので、仕方なく大人しくしている。風邪なんてひいていられるのも今のうちだから、まあ今のうちだ。
わたしがこの場所に来たのは、本当の理由は、さみしくてさみしくてどうしようもなかったからだ。あのまま、あの場所に、川沿いの居心地の良いそして陽当たりの良い古びたマンションの角部屋に、ひとりで暮らし続けたら気が狂うと思った。はっきりとそう思った。だからここへ来たのはある意味ではというかほとんどの意味において自己防衛だったのだ。そうしてその意味で、わたしは目的を達成した、見事に。わたしはこの場所で、もちろん毎日毎秒というわけではないにしろ、心を許せるひとたちと概ねとても健やかに穏やかに、暮らした。振り返り思い出し、そうすればするほどに愛おしくかけがえのない時間だった、そう思う。しかし、時間は流れる、当たり前に淡々と流れ、物事も流れ、変わり、わたしたちも変わり、わたしにはどうすることもできない。馬鹿みたいだと思う、本当の本当に。でもどうしようもない。わたしは、わたしを生きなくてはいけないから、束の間の、はじめから束の間だとわかっていたこの日々をそろそら離れ次の場所へ行かなくてはいけない、そしてその決断を自分で下さなくてはいけない。この、これが、何なのかわからない、でもそれはわたしがわたしのこの身体を持って生まれ死ぬまでそれとともに生きなくてはいけないのと同じことだ、まったくどうしようもないのだった。まだまだまだ、先は長い、
ベッドのなかで久しぶりに異国日記をはじめから最後まで読んだ。ぼろぼろ泣いた。誰かが作ったものにこんなふうに救われるというのはいったいどういうことなんだろうかと考える。そうしてわたしの作ったものもあるいは、と思う、
ずーっとわからないことばかり、わからないまま、しかしだからそれを抱えていく覚悟、覚悟を持て、
夜は今日もながい