2025.05.19

ノートを何冊か、何冊も、燃やした。センチメンタルな行いなどではまったくなく、単なる証拠隠滅。旅先で死んでも良いように。あとは引っ越しの荷物をなるべく少なくするため。ほとんどはジャーナリングをしていたノートなのでパラパラとめくってみても大したことは書かれていなかった、わからない、そのときのわたしにしてみれば大したこともだけどきっと含まれていたんだろう、でももういいや、いいよ、と思って火に焚べた。それにしても紙なんて燃えやすい最たるものであるにも関わらず、ノートのように重なっているとちっともうまいこと燃えないのでいちいちちぎって丸めるなどしなくてはならず思ったよりも時間がかかった。こうして目の前で火を焚いてみると火というのは当たり前だけれど本当に熱いのだなということがよくわかる。わたしはすっかり汗ばんだ。それにしてもそれにしても、都会にいたらノートを少し燃やす自由すらもないのだ、もしまた燃やしたいものができたときどうしたらいいのだろう?深夜に河辺にでも行けばいいんだろうか。でもたぶん、その頃にはわたしはきっと然るべき場所にいるんだろう、という気がなんとなくする。

この数日はひととの連絡をサボらずに頑張ってやっている。わたしは連絡が苦手というか、いちいち考え過ぎて時間がかかるし疲れるからたいてい後回しにしてしまうのだよね、でも大切なことだから翌日には返すように努めて、

物事はそうして停滞しているのか後退しているのかあるいはほんの少しでも進んでいたりするのだろうかどうなんだろう。

和歌山に運んだピアノを、ひとまずは置いていくことにした。梅雨時期の湿気や気温差がまったくひどいので出来れば東京に運び直したかったけれどいろいろの都合でとりあえずは置いておくのがよいだろうということになり、そういうわけでひとまず前回の調律から一年経ったので調律を頼まなくてはいけないが、その電話もまたひどく億劫でずるずると先延ばしにしている。でも引っ越しまでもうあまり時間がないのでわたしは意を決しなくてはいけない。

一平さんがのんちゃんはまだ目がきらきらしてるから大丈夫や、と言ってくれたこと、健二くんがいやいやノゾミさんのギターめちゃくちゃいいよ、と言ってくれたこと、ヒデさんが生活素晴らしかったと言ってくれたこと、キムさんがノゾミちゃんは最高だからそのままでいいよと言ってくれたこと、そういう欠片を集めて、わたしは