2022.09.01
鹿児島に移住した友達が暮らす古い平家の広いお座敷に敷かれた布団の上で、奇妙な夢をみた。遠くもなく近くもない絶妙な関係性の、もう何年も会っていない友達が出てきて(たぶん彼が演奏している姿を久しぶりにフジロックの配信でみてそれがなんとなく印象に残っていたからだと思われるのだけれど)彼はどこかのブランドのコレクションのとても素敵な服を着ていて、わたしも同じブランドの同じコレクションの服を着ていたけれど彼のものほど素敵ではなく、どこか外国のような街並みの中で少し話すなどして、そのあとわたしはなにかテレビのトーク番組に出て、大御所と思われる年配の男性から話を振られるのだけどそれをすっとかわしてしまう、そしてそのことをその男性から収録後に咎められるのだがテレビに出て喋ることは別にわたしのやりたいことではないのでいいんですというようなことをわたしは言う、そうしてそのことについてその男性と、彼と師弟関係のように近しい関係にあったわたしの友達から揃って侮蔑的な扱いを受ける、わたしはその友達との関係を修復しようとする、というところで目が覚めた。
夢には最近坊主頭にした姉も出てきた。彼女はやっぱり坊主頭で夢の中でわたしが働いていたレストランのような広い厨房にやってきて、ミルフィーユを6つと、それから思い出せないのだけれどもう一種類別のお菓子もたくさん差し入れし妹がお世話になっていますと現実では絶対に言わなそうなことを言って帰って行った。
目覚めたわたしに気づいて近くにやってきた5歳の友達に変な夢をみたよ、と言うとどんな?と訊くので説明が難しくてよく覚えてないけどケーキをもらった、でも食べる前に起きちゃった、と言うと笑っていた。
時間が経って夢の中のイメージが段々薄れて消えるのをじっと待ったけれど、なんといまもまだしつこく残っている。もちろんこのぜんたいの意味するところはまったくわからない。意味の有無もわからない。
鹿児島には三日間いた。奄美の島で仲良くなったふたりの友達の家に泊めてもらった。今年5歳になった小さな友達は、ディジュリデュをとても大きな音で吹き、マッチを擦って火を起こして薪で風呂を焚き、種を捏ねて製麺機でうどんを作り、食事の残りものをタッパーに詰め替えて冷蔵庫にしまい、あらゆることを自分でやるようになっており、さらには種子島に住む歌い手の主にレゲエ調の複雑な不割りのたくさんの曲を完璧に歌ってみせ、わたしを驚かせた。
わたしのふたつ上の大きな友達はスコーンやグラノーラを焼き、美味しい食事を作って、合間に家のことをやり、たくさん運転しわたしをあちこちに連れて行ってくれ、わたしに何度もありがとうと言った。わたしは彼女の作るスコーンがこれまで食べたスコーンの中でいちばん好きだ。
わたしたち3人は一緒に2匹の犬の散歩に行き、日本でいちばん大きな楠の木を見に行き、パフェやおぜんざいを分けあって食べ、うどんを作り、絵を描き折り紙をし、温泉に入り、美術館の広い芝生でピクニックをした。
時間の流れがあまりにゆっくりだったので、たったの3日が一週間ほどに感じる。時間の伸縮を思う。わたしは3日間ほとんどスマホを見ずに過ごした。君島さんがミックスのファイルを送ってくれてそれだけは合間をみて確認したけれど、本当にそれだけだった。フィルムのカメラで久しぶりにたくさん写真を撮った。
きのうの夜ちょうど12時頃家に帰りつき、今日は昼近くまでぐっすり眠ってしまった。やることを終わらせて雨が降る前に買い物に行こうと思っていたけれど雨が降りはじめるほうが早かったから買い物には行けなかった。夢の感触はまだ残っている。