2022.09.21 果物

急に寒いので、コットンのカーディガンを出し、ブランケットを出し、レッグウォーマーを出した。台風が過ぎて、虫が鳴いている。

日々が淡々と過ぎている。

今月から在宅での仕事に変わったので、本当に、ずーっと家にいる。人間というのはこんなに誰に会わずとも生きられるのだなと思う。コロナ禍一年目の外出自粛期間のころのように、夜な夜なよく散歩に出るようになった。きのうは1時間ほど、歌詞や譜割を考えながら歩いたら家に帰ったころにはすっかりくたびれていてそのままよく眠れた。今日もこれから散歩に行きたいけれどなんだか寒そうだから外に出るのが億劫。ブランケットの中でぬくぬくしていたい。でもちょっと買い物もある。

母からめずらしく荷物が届いて、なにかと思えばフルーツの盛り合わせで、マンゴー、シャインマスカット、梨、それからミニトマトと酢橘、仙台に行ったらしくお土産のずんだカステラが入っていた。フルーツはとても好きだけれど値が張るものはわざわざ自分では買わないのでとても嬉しい。なんでそんなものがいきなり送られて来たかというと、両親の大学の先輩が千葉で梨を作っているとかなんとかで、その梨を、母は姉と弟にだけ送っており、そのことをわたしは先日の父の誕生日会で知って、いいなーと一言ぽろっと言ったら母ははっとしたような様子で「そうよね」と言って、だからその埋め合わせなのだった。姉にも弟にも今年子どもが産まれて、母は孫が可愛くて可愛くて仕方がなく、だからどうせ彼ら自身はまだ食べられないにも関わらず、なんか、そんな気持ちだったのだろうと思われるのだけれど、そしてわたしは今さらなにも思わないけれど、でも手紙に「あなたにだけ梨を送らなかったので」と書かれていたその字面をみたときには何とも言い難い気持ちにならなくもなかった。マンゴーはあっという間になくなって、マスカットもあと1/4くらい、梨は日持ちしそうだなと思って、やっとさっき初めて剥いて、いま食べながらこれを。果物ナイフで剥こうとしたら長さが足りなくて包丁に持ち替えたほど、大きな立派な梨。あと1個と3/4個ある。贅沢だ。

この間ようやくミックスが終わった。長かった。来月一曲だけ、出します。気がつけば前回のリリースから3年近く空いていた。しばらくぶり。ようやく出せる。まとまった作品は、去年からずーっと準備しているのだけど、もう少しかかりそう。根気。根気。

こんなに毎日が淡々と同じように過ぎていると、日記に書くことも無くなるのではないかと思ったけれど、考えてみれば、最も日々が単調であったコロナ禍初期の頃に、そんな単調な日々のことを忘れずにいるために記録としてはじめたのがこの日記なのだった。毎日とは言わずとも、なるべく日々、なんでもいいから書こう。