2023.02.04

ひどくいい天気。

週の後半にかけて苛立ちがどんどん募っていく出来事があり、きのうおとといとどかどかと食べ、きのうの夜も気の済むまで食べて久しぶりにNetflixでも観ようと思えば知らない間に好きなドラマの新しいシーズンが出ていたのでずるずる観ていればあっという間に深夜になっており、今日はゆっくり起きてそれにしても天気が良いしリセットしなくてはという気持ちになってあっちこっちの窓を開けてまわり、大して量はないけれど部屋着などを洗濯機にぽいぽい放り込んで回し、湯船にお湯を張ってゆっくり浸かりながら永井玲衣さんの『水中の哲学者たち』を読む。

本が出版されたのはたしか少し前のことでわたしはそのことをSNSなどで見知っておりときが来たら読もう、というよりそのうちきっと読むだろうというようなふうに思っていて、この間のme and youのイベントでご一緒することになりああ読むときが来たのらしいと思い購入して、イベント前に読めるかなと思っていたけれど半分くらいまでしか読み切れず、残りをゆっくりじっくり読んでいるのだった。わたしは永井さんとは同じ場に居合わせたことは何度かあったけれどゆっくりお話ししたことはなく、去年の選挙前のイベント終了後に煙草を一本もらってそのときに挨拶をした、というただそれだけの関係値で、しかしわたしはCLPやDなどあちこちで永井さんのことはお見かけしよくその声を聴いていたので、me and youさんからお誘いをいただいたときにああようやくお話しできる機会が!と思いぜひとお返事したらば、永井さんがわたしと一緒なのをとても喜んで下さっているというような返信がきてとても驚いた。そうして当日楽屋でお会いしたらばなんといつもノゾミさんの曲聴いてますと言って下さってわたしは本当に驚いて、そんなことがあるのか、と思って、とてもとても嬉しくて変な表現だけど嬉しさにのたうち回るような、なんかそんな気持ちになったのだった。

水中の哲学者たち、あぁわかるなぁと思って読み進めてみるとしかし対象は同じでもそれをみる眼差しがわたしと永井さんではまったく違っていて、ああこんなふうに世界を眼差すことができるのか、できたなら、そんなふうに思う。いろんな思考や言葉が湯船の中に浮かんでは行き交って消えてまた浮かんで行き交った。

イベントの最後に参加者の方からの質問にわたしはちっともちゃんと応えられなくて、ちゃんとというのは正しいとかそういうことではなくて、なんというか、ちゃんと、言うべきことが言えなかったというか、もっと違う言葉を返すことができたのではないか、みたいなことをずっと思っている。そのことを今週はずっと頭の右端のあたりで考えていた。

きのうおとといと食べ過ぎてしまったので今日は胃を休めなくてはと思いながら朝昼ごはんき小さなパンケーキでも焼こうかなと考えて結局チョコレートのケーキを焼いた。いまオーブンの中に入っていて、部屋の中に甘やかなとてもいい匂いが満ち満ちている。明日からいよいよレコーディング。今日はのんびり、家でギターを少し録って、あとは少し練習してイメージをして、ゆっくりして心を柔らかく、本来の場所に戻して、そうして明日はレコーディングに行く。それにしてもいい天気なのでなんだかありがたいなぁという気持ちにほんのちょっとなる。そろそろケーキが焼けそう。