2022.01.07

きのう。みるみるうちに雪が降り積もり、窓の外は真っ白になっていくのをギターを弾きながら眺めていた。夕方前になっていそいそと着替え(これ以上着られないくらいたくさんの服を着た)もう何年も使っているオールドコーチにお白湯を入れた水筒と、財布と文庫本、エコバック、小さなポーチを入れて、コートを羽織ってマフラーをぐるぐる巻きにして外へ出た。マンションの入り口の階段にも雪が積もっておりいきなり転びそうになる。久しぶりにカメラを首から下げて出かけ、駅までの道すがら適当に何枚かの写真を撮った。

思っていた以上に雪が降っていたのでなんでこんな日にわざわざわたしは外出しているのかしら、と思い、そうして待ち合わせの相手にもこんな日にわざわざ外出させて申し訳ないな、という気持ちがむくむく。電車は遅れてやってきて、途中何度か止まったりしながらもそれほど遅れず目的地に着いた。相手が提案してくれたお店は風情ある横丁の一番終わりにあり、手書きのメニューがあっちの壁にもこっちの壁にもずーっと貼ってあるようなところで、働いているお姉さん(あるいはおばさん)たちは終始たいそうに適当で感じがよく、つまりとてもいいお店だった。途中急遽もうひとりやってきて、三人で飲むのなんて初めてだったけれど、お酒のせいなのかお店の雰囲気のせいなのかもしくは年始だからか、みんなたいそうリラックスした様子で、わたしたちはこれまでになくざっくばらんにあれこれの話をし、つまりとてもいい時間を過ごした。17時の待ち合わせだったのにお店を出たころには22時を過ぎており、雪はすっかり止んでいた。

帰り道、駅前のスーパーで少しだけ買い物をして、おっかなびっくり慎重に慎重に夜道を歩いたけれど、一回横断歩道のところで派手に転んだ。それはいかにも「すってんころりん」といった風情で、恥ずかしいとかというより単純にとても痛くて、「痛い痛い」とひとりごとを呟きながら長い長い橋を渡って家まで帰った。手袋をしていたおかげでまだ痛みがましだった。よかった。マンションへの入り口は変な急斜面になっており、地面は見るからにぴかぴかに凍っており、やっぱりつるつると滑りながら、手すりでもなんでもないひとさまの家のガレージの低いチェーンに捕まるなどしながらへっぴり腰でどうにか帰宅。スニーカーよりはブーツの方がよかろうと思い、先日姉から譲り受けた革のブーツを初めて履いて出かけてみたのだけれど、それがいけなかった。つるつるで。

お風呂をわかして、お湯と豆乳を火にかけ、帰ったら飲むぞ、と心の支えにしていたココアを作った。ソファに沈み込んでココアをすすりながらChoose Life Projectの抗議文に対する文章をじっくり読んだ。それに対する出演者含む周囲の反応はツイッターでたまたま目にしたものしか見ていないけれど、ほとんどが批判だった。さほど深い親交があったわけではないにしろ、わたしは佐治さんというひとを直接知っていて、わたしも出演者としても視聴者としてもお世話になってもきたし、なによりCLPという番組のあり方を尊敬していたしその存在に希望を感じていた。そしてそれは多くのひとがそうだったのではないか、と思う。でもだからこそみんな「裏切られた」と思うのだろうし批判するのだろうと思う、それは頭ではわかる。もちろん今回のことはいけなかった。絶対にいけなかった。でもわたしはやっぱりなんだかうまく客観的にみられないのだった。CLP、これからどうなるのだろうか。見守りたい。