2025.10.16 友達が死んだ

友達が死んだ

はなむけの酒を、知らないバーに行って、ひとりで飲んだ。強い酒をと思ってウイスキーのロックを二杯も飲んだのにちっとも酔わなかった。

右のこめかみにいくつもぶつぶつが出来た、ちっとも治らない、痛いし引っかかる

どうしているだろうか元気だろうか会いたいなと思いながら連絡もしないまま何年もが過ぎそうしてあっという間に会えなくなった

苦しかっただろうか
辛かっただろうか
そうじゃなかったらいいなと思う
でもきっと苦しかったし辛かっただろう
ごめんねごめんねごめんねと思う
自分になにができたかなんてわからないおこがましいとも思う、それでもごめんねと思う

葬儀は身内だけだそうなので、会えないままもう本当に会えなくなるのらしい
こんなことってあるだろうか
あんまりじゃないか

優しい、ほんとうに優しいひとだった、笑っている顔しか思い出せない
わたしが音楽をやると決めたとき、そのことを最初に打ち明けたのが彼だった、
みんなでさんざん酒を飲んだ帰り道、わたしたちは家が近かったからふたりで歩いていた
そのときの彼の言葉と顔をとても、とてもよく覚えている
優しいひとに厳し過ぎる世の中だと、彼を知る友達がぽつりといった

悲しい悲しい悲しい
悔しい
何もかもがまったく間違っている
なんなんだいったい