2022.04.19

飛行機。いつからか成田空港のpeachの乗り場が第3ターミナルから第1ターミナルに変わって、第3ターミナルのあのごちゃっとしたフードコートが苦手だったのでそれは喜ばしいことなのだけど、第1は第1でお店などがほとんどなくてちょっと味気ない感じがするのだった。今回機材を少し持ってきているのだけど(君島さんに借りたやつ)PCとコンデンサーマイクとバッテリーが入っている録音機材を持ち込み手荷物に入れたら重量ぎりぎりだった。

東京駅からバスに乗ろうと思っていたけれどなんだかのんびりしてしまいそれだと間に合うか微妙だったので久しぶりにスカイライナーに乗った。途中の電車は混んでいたけれどスカイライナーはがらがらだった。こういうときたまに朝の満員電車に乗ると本当にびっくりしてしまう。

乗り込んですぐに目を閉じて、いま起きたらちょうど離陸から一時間だった。残り一時間半。

小さな赤ちゃんがすぐ近くの席に乗っている。ずっと大人しかったけれどグズり始めた。小さな子どもにとって飛行機に乗るというのはどんな感覚のするものなのだろう。わたしは初めての飛行機は小学校に上がってからだった。あの頃は機内でひとりひとりにイヤフォンが配られて、席の肘掛けのところに指すと音楽が聴けた。それがなんだか大人になったみたいで嬉しくてはしゃいでいたのを覚えている。あれはいつの間に無くなったんだろう。親のカメラを借りて窓からの景色を写真に撮ったけれど現像から上がってきたそれはとてもつまらないもので凡庸だ、と当時はその言葉を知らなかったけれどそう思って落胆したことも覚えている。

この一週間ほどはなんだかとても情報量が多くて、日記は何度書いても書き切れなかった。yahyelのライブを観た。群を抜いていた。バンドは奇跡だなと思う。つくづく思う。わたしはまたひとりで寿司を食べて少しだけビールを飲んで帰った。根津とUKOと久しぶりに会って昼から少し酒を飲み、変わり果てた下北沢の街をぶらぶらした。下北はいよいよ下北でなくなりつつある。そうして打ち合わせで渋谷に出て、終わったあとふらっとユーロスペースに入って映画を観て、観たことのない映画を観た、と思って感激しながら横を見れば少し離れた隣の席にイラストレーターの友達が座っていた。渋谷の映画館で友達に会うのは二度目だ。一緒に駅まで歩いた。サーカスのカトゥさんとベベちゃんと子どもの成が沖縄から帰って来たので、サーカス閉店前に一緒に店を手伝っていたマイコーとゆーちゃんとみんなで集まった。ベベちゃんはなぜかわたしがヘアドネーションをする前の髪が長かった頃まで記憶が遡っており、何度も見ていたはずの短い毛を見てとても驚いていた。べべちゃんはベリーショートになっていた。のんちゃんぽいのを選んで作ってもらったといって白とグリーンのブーケをくれた。帰ってからも持っているだろうか。帰りは金曜日。久しぶりにテキーラのショットで乾杯した。コーチェラの配信はところどころ観た。話題沸騰の宇多田ヒカルは見逃した。きのうたまたま観たマギー・ロジャースがとても良かった。音楽の良さも去ることながら、ベリーショートヘア、ノーブラにタンクトップ、ナチュラルな脇毛というその出立ちや広いステージでチャーミングに踊りまくる姿、そして女性4名に男性3名で人種もさまざまなバンドメンバー。いろんな形があるけれど、やっぱり音楽は音楽だけではないのだよなということを実感させられた。

きのう初めてカウンセリングに行った。できれば蓋をしておきたい事柄をあえて言葉にするという行為はとても体力の要るもので、終わったあとはすっかり疲れていた。言葉あるいは名前を与えられることは大体の場合において救いであるけれど、名前をつけられることやそれを認めることは怖い場合もあるのだなということを知った。思ったより時間がかかるかもしれない。建物を出ると雨が本降りになっていてとても寒かった。暖かいものが食べたいなと思いながら家に帰り、冷凍してあった野菜のボロネーゼソースを温めて、レタストマトきゅうりと一緒にもりもりにライ麦の食パンに挟んで食べた。料理をする気がまったく起きない日々が続いていて、ここしばらくはサンドイッチばかり食べていた。サンドイッチは昔からずっと好きな食べもののひとつ。サンドイッチで一番大事なのはきゅうり、その次はトマト。今朝は最後の一枚にピーナッツバターとバナナを挟んでバッグに入れてきて、空港で食べた。きのう焼いて残っていたチョコバナナのマフィンもバッグに入っているから奄美に着いたらコーヒーを買おう。空港のそばに美味しい珈琲屋さんがあるのだけど、今日は開いているだろうか。久しぶりの運転。いつも少しドキドキする。加計呂麻に向かう前に嘉徳海岸にも少し立ち寄るつもりでいる。