2023.03.18 夜みたいな雨だ

雨。とても静か。今日みたいな雨はずいぶん久しぶりのような気がする。雨が降るとなんとなく気分が滅入って憂鬱になることが多いけれど今日はなんだか心静か。落ち着く、と感じる。夜みたいな雨だ。

何日か前の夜、部屋で歌を録ろうとやってみたのだけど全然うまくいかなくて、諦めてベッドに入った。歌える日と歌えない日の違いはなんだろうか。自分の力不足、鍛錬不足を実感する。きのうは少しきぶんを変えて、少しだけあるエディット作業。ぼんやり試してみたいと思っていた音を当ててみたらうまくいった。これくらいの段になってくるとなんだか少しそわそわどきどきし始めて落ち着かない。

最近川上未映子のすべて真夜中の恋人たちを読み返している。とてもとても好きな小説。終わりの、冬子が三束さんをゆっくり時間を忘れていくその痛みの描写が美しくて、その箇所だけをなんども読む。あとは宇多田ヒカルと荒井由実を聴いている。日本語で歌詞を書くということ、その可能性や意味合いについて考えている。この間まる一日助手席に座っている機会があって、わたしはふだんドライブに合うような音楽をあまり聴かないのでいつも困ってしまうのだけど困りながらも一生懸命考えて思いつく曲をあれこれかけた、だけど荒井由実をかけるんだった、あとスピッツ、という後悔。小さな強い後悔。

数日前、この間日記を書いた、パン屋に行った日、あのあと、川に面した窓を全開にして仕事をしていればとても気分が高揚し加えてなんとなくむしゃくしゃというかいろんなことがどうでもいいような気持ちになって夕方と呼ぶには早過ぎる時間から酒を飲んだ。家でお酒を飲むのは久しぶりだった。この前友達が家に来たときなぜか間違えてチューハイの缶をしかも6本のパックを注文し、それが冷蔵庫で場所を取っていてしかしわたしはその手の酒を飲まないから困ったなと思っていたのだけど、なんでもいいやと思って、それを飲んだ。2本、飲んだ。そうすると本当にいろんなことがどうでもよくなってやぶれかぶれみたいな気持ちになって、うっかり間違えそうになった。というか実際、間違えた。でも神さまがちゃんと止めてくれて結果として間違えずに済んだ。あぁそうだそれでそれから早い時間にゆっくり湯船に浸かってお酒も抜けて気分も良くなったから歌ってみようと思ったら全然ダメだったのだった。そりゃそうだ、と思った。

しかしこういうとき、いろんなことがどうでもよくなるようなとき、わたしは大概安易に死にたい気持ちになるのだけれどその日はそうならなくて、あれ死にたくなってないないま、と思って、作品を、いま作っている作品を完成させたいからいまはまだ死ねない、それまでは生きたい、と思ったのだった。

長いこと、欲しいものを欲しいと言うことをしないできた、欲しいものを欲しいと思わないようにしてきたのかもしれないわたしは、ということを今朝は考えた。食欲はないが小さなパンケーキを焼き、時間をかけてコーヒーを飲んでいる。